終幕

伝えられない
伝えきれない
何時だって 僕は君の足跡を辿っているのに
僕の信じたい君は すぐに 淡雪のように消えてしまう
あれは 夢だったのだろうか
あの頃の君は 何かを伝える為
思いを伝える為 純粋に心を綴っていた
そんな 一途な ある詩人を愛した
それは 何時も 僕の憧れ
唯一方的に 眺めているだけだった
それでも 僕は何時だって輝いていた
君から愛されている
それだけで僕の毎日は 喜びに溢れていた
しかし 今僕が置かれている場所は
君に全てを伝える事を躊躇わせた
そして 君を大切に思えばこそ
恋人との人生を歩むことがそれが一番と
君との別れを つたない足取りで綴り続けた
本当は 僕の心を曝け出したかった
思い切り 叫びたかった
君を愛していると・・・・。
文字だけの世界は 心の中までは映し出すことは出来ない
結局は 本音は明かせないままに 終幕を退く事になるのだろう
君の日記が綴ることを止めようとしている
静かに歩み寄る 終幕
解りあえないまま 今静かに終わろうとしている