『こころ』





私は何を言葉に
残そうとしているのだろう?


文才などまるで無いというのに



ただあの頃の私は
確かに 文字を通して



自分ではない
或いは 現実とは違う



異質の空間の中で夢を見ていた



それが一体どこかと聞かれれば
四角い画面に打ち込む
文字と言葉で創られた
空想の世界としか言い様は無いのだけれど・・・




電源を落とせば
否応なしに 現実という
日々の暮らしの中に引き戻されてしまう





夢現



彷徨いながらも
其れは 確かな心通わす
幸福のドラマ





触れてはいけないと思うのは
大切なあなただから




チクン! と胸が痛いのは
未だ忘れられない夢の名残を抱いているから




多分それは
綴られる文字の中に




「こころ」  という



透明の時間を
織り込んだから・・・・・