足跡



たまらなく恋しくなって
君の住んでいたアパートを訪ねた


去年の5月までは
紛れもなくここで生活をしていた


外せずに置いてきた
スカパーのアンテナが


あの日の出来事を
抉る様に思い起こさせる


抜けるように青い空
揺れるすすきの間を飛び交うトンボの群れ


少しづつ遠くなってゆく君を
引き戻すように


私はまた
幼い日の君を想う