師走の風


かんかんかん・・・
遮断機が下りる
そんな音を掻き消すように
師走の空から モクモクと
大粒のぼたん雪が舞い降りる
列車は風を巻き上げ
吹雪のように雪を蹴散らして
夕餉の買出しの足を遮り
忙しげに通り過ぎる
僅かばかりの賞与を握り締め
少しでも安いうちにと
正月用の食料品を買い求め
小分けにして冷凍庫に保存する
スーパーに流れる 
BGMのクリスマスソング
バブルと言われた
好景気の最中
心浮かれて繰り出した
ネオン街
そんな世の中に生きたのが
良かったのか
悪かったのか・・・
今になって 無性に
侘しさが込み上げる
年の瀬の総選挙
遣る瀬無い民衆の思い
いったい
誰が受け止めて
くれるのだろうか