さくら さくら




5月8日 連休明けの仕事始め
その日を最後に
ぷっつりと消息を絶った

きっと何処かで生きている

そんな願いも空しく
もの言わぬ人となって
見つかったのは

もう桜も散った
長い冬を通り抜け
待ち構えていた大地に
命の息吹が一斉に燃え立つ頃


狂うように無我夢中で
過ごした一年

今は私の傍で
父や母と一緒に眠っている


早 もうじき3回忌
悪夢の2011年


3・11
東日本大震災 


多くの家族を失った人たちがいる

壊れそうになった心を
重ねて必死に奮い立たせた


つい昨日のことでも在る様で
随分と時が流れた・・・・

そんな気もする

けれど一日たりとも
思い出さない日は無い


幼い日 この腕に抱き上げた時の
ずっしりと感じる重み

くるんと丸まった
茶色の髪の毛から漂う 汗の匂い

何度も何度も見た
アルバムの中の笑顔や
表情が 今ではアルバムを開かなくても
はっきりと見える


一緒に過ごした時間

過ぎ去ってから如何に幸せで
大切なものだったかを
今になって祈るような気持ちで

もう一度・・・・


もうすぐ

桜が咲きます