潜在意識



何度も見る景色

そう! それは夢の中の出来事

父と母
そして幼い私

ガタン ゴトンと揺れながら
大きな広い川を 列車で渡る

決して 楽しい旅行でもなく
ただ 夫々が黙って流れる景色を眺めている

断片的に思い出されるのは
大勢の大人が取り囲み 箸で何かを拾っている

その時の 帰り道の景色なのだろうか

物心がついたころ 

それはきっと 若くして亡くなった
父の 従妹の葬儀の時の風景だろう

今思えば 確かにそれは
収骨の様子

まだ 幼すぎて 
人の死を理解できるはずもなく

後から擦り付けられたものなのか

夢の中で  あぁ 以前にも来たことが在る

目覚めた時なぜか物悲しく
無意識の中に 同じ風景を見てしまう






*5月 息子が亡くなって 
早まる4年が経とうとしている
今年は 春が早く街中の桜は満開
長い冬を経て 野山は新緑の芽生え
命に満ち溢れる待ち望んだ季節だと
いうのに 私にとっての5月は
少しだけ違う たった一人の兄が
車の修理中下敷きになって病院に
運ばれたのが 5日 こどもの日
一週間後の12日帰らぬ人となった
震災のあった2011年5月
大切な息子を亡くしてしまった
そして一昨年 私は癌の宣告を受け
胃を摘出
けれど その後の経過は良く元気に
過ごせている この満開の桜を見ら
れる私は幸せ者だ あと何度 この
季節を迎えられるかは神のみぞ知る
取り合えず この春 この一年に
「 感謝 !! 」