改めて思うこと

夫が魚を釣ってきた

久し振りの釣果に 上機嫌

大小合わせて ホッケが10尾余り
そして 小ぶりのソイにメバルが同じ位

ホッケはフライと 開いて一夜干し
ソイとメバルは 煮付けにした

スーパーで買ってきた魚とは
何故か思い入れが違う

美味しくなれと 
料理をした

美味しいと言って
食べてくれる人がいた

命を有難う

なんとなく 心の中で
そう呟いた








年の瀬に思い出すこと

遠ざかってしまった記憶の中で
僕はまた旅をした

君の書いた日記のページ


降りしきる雨粒の
音に込められた感情を振り返れば

そのころ読み取れなかった
優しさと悲しみが

地面にはじけ散る雨音の
余韻となって僕に心を熱くする


決して後戻りはできない
時のメカニズム

誰かが解き明かしてくれるなら・・・・



君と僕は ソウルメイト


時空を超えた


永遠の友でいられるだろうか・・・・

タンポポ


また廻って来ましたね

爽やかな 春風があの頃を連れ戻してきます
浅黄色の懐かしい匂いが ふっ!と 遠ざかった記憶を
思い出し 私の涙腺を擽ります

例え此のまま 思い出の記憶は薄れて行こうとも
心の中から 大切な貴方が消え去ってしまうことなんて無いのですから
だから 私はあの場所が好きなんです

其処に貴方が居なくても 目を瞑りいっぱいに吸い込んだ
鮮やかな黄色のタンポポの香り
何時でも感じ取れるから 寂しくなんて無いのです

貴方は 貴方の想いのままに
前へ進めばいいのです

心の枷を脱ぎ捨て あなた自身の幸せを見つけ
まぁるいタンポポの綿毛のように 
ふわりと風に乗って 自由の空へ飛ぶのです
私は其れを眺めながら また夏の訪れが近いことを肌で感じ
そっとあの頃の思い出に浸ります

月下美人




いつも見逃してしまう花


今年は葉の先に5個の大きな蕾が付きました


見た目はとげとげとしていて
どう見ても美しいとは思えません


大きく膨らんできたときも
それほどの期待感は無く


けれど一晩のうちに
見事な大輪の花を咲かせます


ふっと気づいたときには
いつも萎れかけ


人知れず
こんな風に美しく咲き


誇ることなく
静かに生涯を終える




香しく
そして潔い




月下美人
そんな花に私は憧れをもって




自分の人生を
重ねます

詩 気の早いトンボ






爽やかな初夏の 風と陽射しに誘われ
カメラ片手に 鳥たちに逢いに出かけた

ふと足元に 身の丈5〜6センチの
遅咲きのスミレの花が咲いているのが目に留まった


「よぉーし! 別嬪さんに撮ってあげるからね!」



草むらに寝転び 接写で構えた


じーっと息を潜め
ピタリと風のやむ瞬間を待つ・

と何処からか 気の早いトンボが遣って来て
構えたレンズの舳先に ちょこんと留まった



「ちょっとちょっと〜! 邪魔だよ〜!」
「何処かへ行ってよっ!」



私の心の叫びが聞こえたのか
トンボは くるりと振り返り

大きな目玉で 

「デヘッ!」 と笑った





*  花の写真を整理する
雑多に詰め込んでいたフォルダーの中
カメラも 詩も そしてパソコンも
ちょっとした切っ掛けで始めた
何とかの手習い(笑)
時々の風景や心情 出来事を記録に
残して置く事は結構大変なことだ
趣味として始めてから 7年
今では大切な思い出の記録帳

潜在意識



何度も見る景色

そう! それは夢の中の出来事

父と母
そして幼い私

ガタン ゴトンと揺れながら
大きな広い川を 列車で渡る

決して 楽しい旅行でもなく
ただ 夫々が黙って流れる景色を眺めている

断片的に思い出されるのは
大勢の大人が取り囲み 箸で何かを拾っている

その時の 帰り道の景色なのだろうか

物心がついたころ 

それはきっと 若くして亡くなった
父の 従妹の葬儀の時の風景だろう

今思えば 確かにそれは
収骨の様子

まだ 幼すぎて 
人の死を理解できるはずもなく

後から擦り付けられたものなのか

夢の中で  あぁ 以前にも来たことが在る

目覚めた時なぜか物悲しく
無意識の中に 同じ風景を見てしまう






*5月 息子が亡くなって 
早まる4年が経とうとしている
今年は 春が早く街中の桜は満開
長い冬を経て 野山は新緑の芽生え
命に満ち溢れる待ち望んだ季節だと
いうのに 私にとっての5月は
少しだけ違う たった一人の兄が
車の修理中下敷きになって病院に
運ばれたのが 5日 こどもの日
一週間後の12日帰らぬ人となった
震災のあった2011年5月
大切な息子を亡くしてしまった
そして一昨年 私は癌の宣告を受け
胃を摘出
けれど その後の経過は良く元気に
過ごせている この満開の桜を見ら
れる私は幸せ者だ あと何度 この
季節を迎えられるかは神のみぞ知る
取り合えず この春 この一年に
「 感謝 !! 」