存在

存在が 唯 魂だけのものだったなら
私は 貴方の真ん中で まぁるくなって 
永遠の眠りに就いてもいいと思った
胎児のように 貴方の 愛の羊水の中で
心地よく眠っていたかった


現実の私には 身体も在って
歩いた 長い道程には 無数の足跡が在ったから
胎児には戻れなかった
たくさんの足跡から 柵が私の足へと繋がっていたから
私は 身体を持って生きるしかなかった
身体は 何時しか 老い耄れてゆくわ
とても 貴方の若さには 眩しすぎて目が開けられなかったから
私は 貴方に隣に寄り添う 瑞々しい果実
それが 貴方にお似合い それが最善
そう思って 目を開ける事を止めにしたの

でも 苦しくて 辛くて 
・・・寂しくて

一生懸命に 屁理屈を探したの

お願い
忘れさせて
離れさせて
私の中から 消え去って

思いつく限りの 暴言と 暴力
貴方を 追い出そうとしたの

けれど 其のたびに 私のこころの中は
自分の刃で 血に染まった
溢れる 涙の塩気が 傷口を疼かせて
堪えられず 私自身を 
凍らせたの

ねぇ 何故なのかしら
どうして 出会ってしまったのかしら

何故こんなにも

苦しくて 哀しくて
・・・愛しくて